本の虫と文字の虫とその周辺 (初めての方はカテゴリより、「はじめに」と「登場人物紹介」から)
仮定:彼女はイチゴ味がすき。
難解キャンディーズ
難解キャンディーズ
「さて問題です和泉さん!」
「……俺今小説書いてるよな?」
「まぁまぁ息抜きに」
彼女は一時間が限界。
一時間放っておくと何かしら行動に出る。背中にくっついてくるとかそーゆーのだったらまだいいが、やっと乗りはじめた執筆が中断せざるをえなくなるのはかなわない。
かといって相手にしないことも無理だと知っているので、一度ペンを置き脱力する。
なんだか甘い匂いがした。
「………なんか食べてる?」
「問題です。私が今食べているアメちゃんは、レモンかイチゴか」
「しょうもないな」
「えー」
小首をかしげて答えを待ってる。
「さぁどっち?」
「……………」
舌の上を転がる飴玉は黄色か赤か。
彼女は勝負に負けるのが嫌いなので、勝つ気でいるのだとしたら。
「レモン、だな」
「……………当たりです」
べ。と出した舌先には、もう球体でさえない小さな黄色。
「和泉さんに透視能力があったとは」
「あるわけないだろ」
「じゃあなんで?」
「二分の一じゃないか」
「てきとーですか」
そうじゃない。
「きみってばかだよな」
「え?」
きみはイチゴが好きだ。
俺はそれを知っている。
きみは俺がそれを知っていることを知っている。
でも俺は、きみがそれを知っていることも知ってるんだ。
難解キャンディーズ
(おしどりな人たち。)
「……俺今小説書いてるよな?」
「まぁまぁ息抜きに」
彼女は一時間が限界。
一時間放っておくと何かしら行動に出る。背中にくっついてくるとかそーゆーのだったらまだいいが、やっと乗りはじめた執筆が中断せざるをえなくなるのはかなわない。
かといって相手にしないことも無理だと知っているので、一度ペンを置き脱力する。
なんだか甘い匂いがした。
「………なんか食べてる?」
「問題です。私が今食べているアメちゃんは、レモンかイチゴか」
「しょうもないな」
「えー」
小首をかしげて答えを待ってる。
「さぁどっち?」
「……………」
舌の上を転がる飴玉は黄色か赤か。
彼女は勝負に負けるのが嫌いなので、勝つ気でいるのだとしたら。
「レモン、だな」
「……………当たりです」
べ。と出した舌先には、もう球体でさえない小さな黄色。
「和泉さんに透視能力があったとは」
「あるわけないだろ」
「じゃあなんで?」
「二分の一じゃないか」
「てきとーですか」
そうじゃない。
「きみってばかだよな」
「え?」
きみはイチゴが好きだ。
俺はそれを知っている。
きみは俺がそれを知っていることを知っている。
でも俺は、きみがそれを知っていることも知ってるんだ。
難解キャンディーズ
(おしどりな人たち。)
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