本の虫と文字の虫とその周辺 (初めての方はカテゴリより、「はじめに」と「登場人物紹介」から)
カップ麺ばかり食べてると、ひょろひょろになってしまいますよ?
【属性ドッペルゲンガーにやられる。】
上総の兄、下総(シモウサ)登場。
みーコンとまさかのネタ鉢合わせ(笑)
【属性ドッペルゲンガーにやられる。】
上総の兄、下総(シモウサ)登場。
みーコンとまさかのネタ鉢合わせ(笑)
『また、カップ麺買ってる・・・』
ここは、駅前のコンビニ。
だが、この時間帯にくる客は少なく、店内には立ち読みしている客とさっきからカップ麺と睨めっこしている客。
カップ麺の男は毎日といって良いほどよくくる。
夜間だけのアルバイトの俺が覚えるくらいだ。
頻繁にくる。
そして決まって、買って行くのはカップ麺。
『体に悪過ぎないか』
こっちが心配になってくるほどその客は細い。
若干の猫背とくしゃくしゃの髪が、彼をよりいっそう思わせるのだろう。
失礼ながら、オタクルックというやつに見えなくもない。
じーっと見つめるカップ麺。
左手には今日発売された『神の領域 激辛ラーメン』
右手には最近話題の『豚骨の極み 激ウマ醤油ラーメン』
前者のほうは、神の領域というほどだ、相当辛いのだろう。
だが、後者のほうは、豚骨を売りにしているのに醤油味である謎のラーメン。
どっちを選ぶのか、非常に気になる。
「・・・・なんですか?」
おっと、俺の視線が気になったのか、カップ麺の男は声をかけてきた。
「いやぁ、どっちを選ぶのか気になって。すまんな!」
「・・・・いえ」
意外とカップ麺の男の声はよく聞こえる音程。
低くもないし、高くもない。
いい声だと思う。
「俺、ここで夜間のアルバイトしているですけど、よくお兄さん見かけるんですよね」
「はぁ」
「失礼ながら・・・・カップ麺ばかり食べてると、麺みたいにひょろひょろになってしまいますよ?」
「っ!」
そう俺が言うとカップ麺の男は目を丸くして俺を見た。
・・・なんか悪いこと言ったけ?俺
「どうかした?」
「・・・いや、知り合いによく言われるセリフと似ていたんで、ちょっと驚いただけです」
「へぇ・・・俺と知り合いさん、属性が似ているのかもな」
「属性・・・。・・・・そうですね」
「あれ、似ているの?」
「少し、雰囲気が」
「へぇ~親近感わくな~」
カップ麺の男はフッと笑った。
おぉ、笑うと雰囲気が変わるなぁ。こう大人っぽい?
んー・・・
そのとき、妹がよく話す『和泉さん』が頭をよぎった。
「お兄さんも妹がよく言う人に似ているかも」
「・・・・?」
「雰囲気がぴったり合うんですよ」
「・・・そうなんですか」
カップ麺の男はどう反応していいのか困っているようだ。
そりゃそうか、いきなり似ていると言われれば困るだろうな。
「さて、そろそろ商品並べるか」
「あ、あぁ。お疲れ様です」
「ありがとうございます」
と、決まりきった挨拶をする。
カップ麺の男は視線をインスタント食品に戻した。
んー・・・
「やっぱり、野菜食べたほうがいいですよ」
「え?」
「はい。これ今入った商品です」
と言って、男のカップ麺の上に新発売の『サラダセット ドレッシング付』を乗せる。
うん、やっぱり緑は必要だよな。
「・・・・」
「俺が知り合いさんに似てるなら、知り合いさんの行為だと思ってください」
「・・・・」
カップ麺の彼は唖然とした表情で俺を見ていた。
眼鏡の奥にある目がまん丸だ。
「筑波くーん。早く並べてくれー」
「あ、はい!」
レジにいる店長に言われる。
俺は商品カゴを担いで、サラダコーナーへ向かう。
その前に
「それ、返品不可です」
カップ麺の男に釘をさす。
店としては都合が非常に悪いだろうが、俺としては満足だ。
俺は気分晴れ晴れと商品を並べ始めた。
+++
おまけ
「い、和泉さんが野菜食べてる!!」
今日コンビニで買ったサラダセットを食べているところを、彼女に見られた。
「ど、どうしたんですか!」
「返品不可と言われた」
「え?!」
アルバイトの男を思い出す。
妙に説得力のあるセリフだった。
レタスを口に含む。
彼女を見る。
今でも驚いてるみたいだ。
・・・・そんなにおかしいのか?
もう夜に行くのやめよう。
属性ドッペルゲンガーに会うのは疲れる。
ここは、駅前のコンビニ。
だが、この時間帯にくる客は少なく、店内には立ち読みしている客とさっきからカップ麺と睨めっこしている客。
カップ麺の男は毎日といって良いほどよくくる。
夜間だけのアルバイトの俺が覚えるくらいだ。
頻繁にくる。
そして決まって、買って行くのはカップ麺。
『体に悪過ぎないか』
こっちが心配になってくるほどその客は細い。
若干の猫背とくしゃくしゃの髪が、彼をよりいっそう思わせるのだろう。
失礼ながら、オタクルックというやつに見えなくもない。
じーっと見つめるカップ麺。
左手には今日発売された『神の領域 激辛ラーメン』
右手には最近話題の『豚骨の極み 激ウマ醤油ラーメン』
前者のほうは、神の領域というほどだ、相当辛いのだろう。
だが、後者のほうは、豚骨を売りにしているのに醤油味である謎のラーメン。
どっちを選ぶのか、非常に気になる。
「・・・・なんですか?」
おっと、俺の視線が気になったのか、カップ麺の男は声をかけてきた。
「いやぁ、どっちを選ぶのか気になって。すまんな!」
「・・・・いえ」
意外とカップ麺の男の声はよく聞こえる音程。
低くもないし、高くもない。
いい声だと思う。
「俺、ここで夜間のアルバイトしているですけど、よくお兄さん見かけるんですよね」
「はぁ」
「失礼ながら・・・・カップ麺ばかり食べてると、麺みたいにひょろひょろになってしまいますよ?」
「っ!」
そう俺が言うとカップ麺の男は目を丸くして俺を見た。
・・・なんか悪いこと言ったけ?俺
「どうかした?」
「・・・いや、知り合いによく言われるセリフと似ていたんで、ちょっと驚いただけです」
「へぇ・・・俺と知り合いさん、属性が似ているのかもな」
「属性・・・。・・・・そうですね」
「あれ、似ているの?」
「少し、雰囲気が」
「へぇ~親近感わくな~」
カップ麺の男はフッと笑った。
おぉ、笑うと雰囲気が変わるなぁ。こう大人っぽい?
んー・・・
そのとき、妹がよく話す『和泉さん』が頭をよぎった。
「お兄さんも妹がよく言う人に似ているかも」
「・・・・?」
「雰囲気がぴったり合うんですよ」
「・・・そうなんですか」
カップ麺の男はどう反応していいのか困っているようだ。
そりゃそうか、いきなり似ていると言われれば困るだろうな。
「さて、そろそろ商品並べるか」
「あ、あぁ。お疲れ様です」
「ありがとうございます」
と、決まりきった挨拶をする。
カップ麺の男は視線をインスタント食品に戻した。
んー・・・
「やっぱり、野菜食べたほうがいいですよ」
「え?」
「はい。これ今入った商品です」
と言って、男のカップ麺の上に新発売の『サラダセット ドレッシング付』を乗せる。
うん、やっぱり緑は必要だよな。
「・・・・」
「俺が知り合いさんに似てるなら、知り合いさんの行為だと思ってください」
「・・・・」
カップ麺の彼は唖然とした表情で俺を見ていた。
眼鏡の奥にある目がまん丸だ。
「筑波くーん。早く並べてくれー」
「あ、はい!」
レジにいる店長に言われる。
俺は商品カゴを担いで、サラダコーナーへ向かう。
その前に
「それ、返品不可です」
カップ麺の男に釘をさす。
店としては都合が非常に悪いだろうが、俺としては満足だ。
俺は気分晴れ晴れと商品を並べ始めた。
+++
おまけ
「い、和泉さんが野菜食べてる!!」
今日コンビニで買ったサラダセットを食べているところを、彼女に見られた。
「ど、どうしたんですか!」
「返品不可と言われた」
「え?!」
アルバイトの男を思い出す。
妙に説得力のあるセリフだった。
レタスを口に含む。
彼女を見る。
今でも驚いてるみたいだ。
・・・・そんなにおかしいのか?
もう夜に行くのやめよう。
属性ドッペルゲンガーに会うのは疲れる。
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