本の虫と文字の虫とその周辺 (初めての方はカテゴリより、「はじめに」と「登場人物紹介」から)
夢かと思った。
レムすいみん
後編書くつもりだったんだけど長くなりそうなのでインターバル(・∀・)
調子に乗っていちゃつかせてしまった。
「いつひと。」と同じテンションで書いたから気を付けて!←
レムすいみん
後編書くつもりだったんだけど長くなりそうなのでインターバル(・∀・)
調子に乗っていちゃつかせてしまった。
「いつひと。」と同じテンションで書いたから気を付けて!←
彼女が来たことには気づいた。
でも徹夜明けの所為か頭がぼーっとして。横になったままで。
挨拶にもぼんやりと返事し、本はそこだと指差し、うつらうつらとしてまた眠りに落ちそうになりながら、ぼーっと彼女を見ていた。
いつもなら彼女は俺の背中にもたれて本を読むが、今俺はこうして横になっているわけで。彼女はどうするんだろう。と少し考えたけれど、どうもしないだろうという結論に至る。当たりまえだ。何を考えてるんだ。
「和泉さん」
「ん?」
彼女は俺が用意した今日の本を手に抱えて寄ってくる。
「……どうした。それ読んだことあった?」
「ないです、読みますよ。そうじゃなくて、」
何故か彼女は声を潜めて話す。
屈んだ彼女がつくった陰に俺が入るくらい、近くで。
「ねぇ和泉さん」
「………ん?なに?」
「腕枕してくれませんか」
「あぁ腕枕ね」
「……………………え?」
ちょっと待て。
ちょっと普通に返事してしまってなんだか「いつもそうです腕枕してます」みたいな甘い雰囲気をかもしだしたがそれはない。誓ってない。そこまでいちゃいちゃしてない。あってたまるか。っていうか動揺しすぎだ。わけがわからない。落ちつけ。落ちつけ俺。
「………腕枕?」
「そう」
「俺が?」
「そうです。ほら、腕伸ばして!」
彼女は俺の右腕を伸ばさして、あっという間に腕の上に頭を乗せてしまう。え、何この状況。俺は頭がすっかり冴えてしまった。
しかし。
「…………なんで背中」
「え?」
「いや……。きみも寝るのか?」
「いいえ。本を読みます」
「じゃあなんで寝転ぶんだ」
そしてなぜ腕枕なんだ。
答えは以前として彼女の背中から返ってくる。
「今日は背中が空いてないから」
「背中?」
「気づいたんですけど、」
腕枕の状態のままこっちに振り返る。
ち、近い。未だかつてない近さだ。
そんなことなどおかまいなしで彼女は真剣な面持ちで言う。
「大変なことに気付きました」
「……何」
「由々しき問題です」
「だから何が」
「和泉さんにどこか触れてないと、落ち着いて読書できなくなっちゃったみたい」
「…………………そりゃ大変だ」
主に、俺が。
「……俺もうきみがいるときは寝ないよ」
「え、いいですよ気にしなくても!」
「そうじゃなくて」
未だに顔が近いまんまなんですけど。
もういいや、きみは本でも読んでなさい。
彼女の体の向きを変えさせてまた俺は彼女の背中と対面する。
こんなの二度とごめんだ。………ごめんかなぁ。
ほんとはどうだろう。
全身全霊で否定したいところだがそれももう今では。
「ん?和泉さん?」
「うん」
「なんですか?」
「なんでもない」
目前にある後ろ髪を梳かしていた。気づいたら触れていた。
寝転ぶものだから髪が崩れてる。一つにくくったところから毛先がピンと飛び出している。
いつもの位置ならこんなことは気にならないのに。
普段ならこんな風に触れたりしないのに。
(躊躇ってやめてしまうのに。)
こんな風にどうして。
「あ、あの、やっぱりくすぐったいんですけど」
「あぁ」
「………和泉さん寝ぼけてません?」
「多分、寝ぼけてる」
そう。だから。
月並みの言いわけにもうんざりだが逃避の手段には適していたようで。
「二度寝することにする」
「あ、はい。おやすみなさい」
俺はおやすみと返しただろうか。そのあたりで意識を手放した。
手放すほんの一瞬前に瞼の裏で感じたのは、またこっちを振り返り近い距離で笑うきみだったか。ぼんやりと思って意識を沈める。
触れたくなった理由なんてきっとどこにもありはしない。
俺もきみも、なにかがどうにかなってしまったんだ。
レムすいみん
(今以上に触れいていたいんだと 貪欲がぼくらを叩き起こすまで)
でも徹夜明けの所為か頭がぼーっとして。横になったままで。
挨拶にもぼんやりと返事し、本はそこだと指差し、うつらうつらとしてまた眠りに落ちそうになりながら、ぼーっと彼女を見ていた。
いつもなら彼女は俺の背中にもたれて本を読むが、今俺はこうして横になっているわけで。彼女はどうするんだろう。と少し考えたけれど、どうもしないだろうという結論に至る。当たりまえだ。何を考えてるんだ。
「和泉さん」
「ん?」
彼女は俺が用意した今日の本を手に抱えて寄ってくる。
「……どうした。それ読んだことあった?」
「ないです、読みますよ。そうじゃなくて、」
何故か彼女は声を潜めて話す。
屈んだ彼女がつくった陰に俺が入るくらい、近くで。
「ねぇ和泉さん」
「………ん?なに?」
「腕枕してくれませんか」
「あぁ腕枕ね」
「……………………え?」
ちょっと待て。
ちょっと普通に返事してしまってなんだか「いつもそうです腕枕してます」みたいな甘い雰囲気をかもしだしたがそれはない。誓ってない。そこまでいちゃいちゃしてない。あってたまるか。っていうか動揺しすぎだ。わけがわからない。落ちつけ。落ちつけ俺。
「………腕枕?」
「そう」
「俺が?」
「そうです。ほら、腕伸ばして!」
彼女は俺の右腕を伸ばさして、あっという間に腕の上に頭を乗せてしまう。え、何この状況。俺は頭がすっかり冴えてしまった。
しかし。
「…………なんで背中」
「え?」
「いや……。きみも寝るのか?」
「いいえ。本を読みます」
「じゃあなんで寝転ぶんだ」
そしてなぜ腕枕なんだ。
答えは以前として彼女の背中から返ってくる。
「今日は背中が空いてないから」
「背中?」
「気づいたんですけど、」
腕枕の状態のままこっちに振り返る。
ち、近い。未だかつてない近さだ。
そんなことなどおかまいなしで彼女は真剣な面持ちで言う。
「大変なことに気付きました」
「……何」
「由々しき問題です」
「だから何が」
「和泉さんにどこか触れてないと、落ち着いて読書できなくなっちゃったみたい」
「…………………そりゃ大変だ」
主に、俺が。
「……俺もうきみがいるときは寝ないよ」
「え、いいですよ気にしなくても!」
「そうじゃなくて」
未だに顔が近いまんまなんですけど。
もういいや、きみは本でも読んでなさい。
彼女の体の向きを変えさせてまた俺は彼女の背中と対面する。
こんなの二度とごめんだ。………ごめんかなぁ。
ほんとはどうだろう。
全身全霊で否定したいところだがそれももう今では。
「ん?和泉さん?」
「うん」
「なんですか?」
「なんでもない」
目前にある後ろ髪を梳かしていた。気づいたら触れていた。
寝転ぶものだから髪が崩れてる。一つにくくったところから毛先がピンと飛び出している。
いつもの位置ならこんなことは気にならないのに。
普段ならこんな風に触れたりしないのに。
(躊躇ってやめてしまうのに。)
こんな風にどうして。
「あ、あの、やっぱりくすぐったいんですけど」
「あぁ」
「………和泉さん寝ぼけてません?」
「多分、寝ぼけてる」
そう。だから。
月並みの言いわけにもうんざりだが逃避の手段には適していたようで。
「二度寝することにする」
「あ、はい。おやすみなさい」
俺はおやすみと返しただろうか。そのあたりで意識を手放した。
手放すほんの一瞬前に瞼の裏で感じたのは、またこっちを振り返り近い距離で笑うきみだったか。ぼんやりと思って意識を沈める。
触れたくなった理由なんてきっとどこにもありはしない。
俺もきみも、なにかがどうにかなってしまったんだ。
レムすいみん
(今以上に触れいていたいんだと 貪欲がぼくらを叩き起こすまで)
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