本の虫と文字の虫とその周辺 (初めての方はカテゴリより、「はじめに」と「登場人物紹介」から)
一応『そして彼女は決意する』の続きになっていますので先にそちらを読んでください。
進まない。一向に進まない。
小説の構成が悪かったのでも展開に詰まったわけでもない。
じゃあ何故か。
答えは簡単。台所に立っている彼女が原因だ。
そっと振り返ると、エプロンを着けて忙しそうに動く彼女が目に入った。
昨日、俺に飯を作ると宣言した彼女。
両手にスーパーの袋を抱えてやってきた時は覚悟はしていたものの、どうしたものかと固まってしまった。
そのまま彼女は料理を始め、俺はこうして進みもしない原稿の前にいる。
けれど、何か落ち着かない。
「熱っ」
「!大丈夫か!?」
「ヘーキです。和泉さんは執筆活動に集中してください!」
「わ、わかった…」
再び原稿用紙を見つめる。
そうだ〆切りまで日がないんだ。
ここは彼女に甘えて集中を……
ガタ!「(ビク!)」
ガシャン!「(っ…!)」
バチ!「(………)」
「痛!」「……流し台の隣の棚。絆創膏あるから…」
家庭科4の意味が何だか分かった気がする。
*****
「和泉さん、できました!!」
小さなテーブルに置かれた食事は普段の俺は作らない栄養バランスの良さそうな物だった。
「いただきます」
小さく呟いて口に含む。
めちゃくちゃ旨いわけじゃない。
でも、何だかとても暖かくて旨かった。
人の手料理が久しぶりだからだろうか。
それとも……
「和泉さん、どうですか…?」
真剣な目で俺に尋ねる彼女が何だかとても面白くて、すこし笑って答えた。
「旨いよ。ありがとう」
「やったー!」
嬉しそうに笑う彼女。……でもな、
「今度からは〆切り間近じゃない時に作ってくれ」
(理由は言わない。君が心配で集中できないなんて口が裂けても言うものか)
END
和泉さんはきっと「いただきます」や「ごちそうさま」を言う礼儀正しい人…!(妄想ですが)
小説の構成が悪かったのでも展開に詰まったわけでもない。
じゃあ何故か。
答えは簡単。台所に立っている彼女が原因だ。
そっと振り返ると、エプロンを着けて忙しそうに動く彼女が目に入った。
昨日、俺に飯を作ると宣言した彼女。
両手にスーパーの袋を抱えてやってきた時は覚悟はしていたものの、どうしたものかと固まってしまった。
そのまま彼女は料理を始め、俺はこうして進みもしない原稿の前にいる。
けれど、何か落ち着かない。
「熱っ」
「!大丈夫か!?」
「ヘーキです。和泉さんは執筆活動に集中してください!」
「わ、わかった…」
再び原稿用紙を見つめる。
そうだ〆切りまで日がないんだ。
ここは彼女に甘えて集中を……
ガタ!「(ビク!)」
ガシャン!「(っ…!)」
バチ!「(………)」
「痛!」「……流し台の隣の棚。絆創膏あるから…」
家庭科4の意味が何だか分かった気がする。
*****
「和泉さん、できました!!」
小さなテーブルに置かれた食事は普段の俺は作らない栄養バランスの良さそうな物だった。
「いただきます」
小さく呟いて口に含む。
めちゃくちゃ旨いわけじゃない。
でも、何だかとても暖かくて旨かった。
人の手料理が久しぶりだからだろうか。
それとも……
「和泉さん、どうですか…?」
真剣な目で俺に尋ねる彼女が何だかとても面白くて、すこし笑って答えた。
「旨いよ。ありがとう」
「やったー!」
嬉しそうに笑う彼女。……でもな、
「今度からは〆切り間近じゃない時に作ってくれ」
(理由は言わない。君が心配で集中できないなんて口が裂けても言うものか)
END
和泉さんはきっと「いただきます」や「ごちそうさま」を言う礼儀正しい人…!(妄想ですが)
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