そして彼女は決意する*みーコン

「うわ、和泉さん何ですかコレ！」
「何が」

憤る彼女の前には開け放された俺の小型の冷蔵庫。
中には申し訳程度に野菜が入っている。

「和泉さんの不健康な食生活をそのまま表してるじゃないですか！」
「不健康ってなんだ不健康って。とゆーか何勝手に冷蔵庫を開けてんだ。そして早く閉めろ」

パタンと扉を閉めた彼女は手を腰に当て、呆れたように首を振った。

「カップラーメンや偏った食生活…。きちんと食事しないと和泉さん体壊しますよ？」
「関係ないだろ」
「関係大有りです！和泉さんが倒れたら小説読めなくなるじゃないですか。……決めました、私がご飯を作ってあげます！」

小説の為かよ…と関係有ると言った彼女の台詞に不覚にもドキッとした俺がバカだったと自嘲していたせいで彼女の爆弾発言の意味を理解するのに少々時間がかかった。

「作るって…君がか！？」
「もちろんです。これでも家庭科の成績は４なんです！」

５じゃないのかというツッコミは置いておいて、そこまでしなくていいとか、料理くらい自分でちゃんとできるとか言いたかったが、やる気に満ちた彼女の顔を見て諦めた。
コレは何を言っても聞かない顔だ。
いくら女心に疎い(と前に越後に言われた)俺でも分かる。

「楽しみにしててくださいね！」
「あぁ…」

彼女に背を向けて〆切り間近の小説を再び書き始めた。


さてどうなることやら……



END

一応続きます！